目白蕪木「ちょいと失礼」

映画や本や趣味などを失礼ながら好き勝手に綴ります

奥多摩トリップ

先日奥多摩に行った

 

東京にあのような渓谷があり澄んだ水が流れているとは知らなかった

 

元々山と川のせせらぎが大好きだ

 

山派と海派があるとするなら100%山派だな

 

もちろん海が嫌いなわけではまったくない

 

ただなぜか海には郷愁というか寂しさを感じてしまうのだ

 

海で見る朝陽は力強いが、イメージとしてはいつも夕陽になる

 

ロマンチックではある

 

山には不思議と温かみを感じる

 

山を見ると心が落ち着き癒される

 

好きな山の近くで毎日その山を見ながら生活できたら素晴らしいと思う

 

生活は不便だろうがその不便さも気にならないかもしれないとさえ思う

 

日原鍾乳洞にも寄った

 

平日だったせいだろう、ほとんど人がいない

 

ナメていたが意外に大変だった

 

新洞という方向に行くと急峻な上下階段になっていて運動不足の身には堪えた

 

しかし久しぶりに楽しかったな

 

短編小説のネタなんかも色々と考えてみた

 

近いうちにモノローグ酒場にアップするつもり

 

都内から高速なら2時間弱

 

まあちょっとしたドライブにいい場所かもしれない

 

しかし山はいいなあ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

旧友

先日、旧友と飲んだ

 

もちろん昼飲みだが

 

旧友とはいっても会社にいた頃の同僚だ

 

彼は今年3月で定年するらしい

 

約1年ぶりに会った

 

彼はいわゆるいい漢だ(男ではない)

 

見た目はまあおいといて誠実で物静かでガッツがあり自分の主張を曲げない強さを持ち上司の理不尽な要求にも敢然と立ち向かう

 

素晴らしい漢だ

 

彼と友人になれたことは自分にとって望外の喜びだ

 

彼は定年後の過ごし方を心配していた

 

自分と同様これといって趣味もなく仕事ばかりやってきた人間なので戸惑っている

 

といって自分にも大してアドバイスもできない

 

ただ彼は仕事の内容的に他社に再就職するもしくは声がかかる可能性もありそれなら仕事を続けたらどうかと伝えた

 

彼も同意していた

 

その後昔の上司の愚痴を言い(ほとんどは自分だが)大笑いしながら飲んだ

 

楽しかった

 

男はなかなか群れないし群れるのは得意ではない

 

どちらかというと一匹狼である

 

特にトシを重ねるごとにその傾向が強くなるようだ

 

自分の親父もそうだった

 

女房の親父もそのようだ

 

小中高くらいの同級生と再会すれば昔話に花を咲かせ楽しく飲んだりもできるがたぶん続かない

 

人生を通じてずっと友人としていられる人はいったい何人いるだろう

 

意外と少ない

 

たまに会って飲んだりゴルフをしたりするのも友人といえば友人だが

 

それは友人というより遊び仲間といった方が適切かもしれない

 

こいつのためならお金でも何でもひと肌脱いでやろうと思えるような人はいるだろうか

 

そういう友人がたくさん作れたら最高だな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

藤井総太棋士の選択

藤井総太 言わずもがなの天才棋士

 

すでにタイトルは2冠で、段位は八段

 

順位戦ではB級2組を全勝で突破し来期はB級1組

 

いよいよA級が見えてきた

 

河口俊彦さんの書によると、B級1組というのはなんとかの棲み処で、下から上がってくる名人候補のような強い者はとっとと勝ち抜けさせてA級に押し上げるんだそうだ

 

なぜならいつまでも居られると困るかららしい

 

一方、弱い者はみんなして徹底して叩く

 

これはイジメるという意味合いではなく、一人負けにして勝ち星を稼ぐという意味だ

 

要するにB級1組(いわゆる七段)という場所は、対局料もそこそこ高く(A級の七掛け)世間的にも見栄えがいいので居心地がいいらしい。

 

強い者を上げ、弱い者を叩く

 

それがB級1組にながくいられるコツだとか

 

とすると藤井総太2冠はあっと言う間、つまり一年でA級に上がるだろう

 

A級の面々はびくびくしているに違いない

 

それにしても彼はどこまで強くなるのか

 

へんな例えだが優良企業の株価みたいだ

 

大きく伸びる会社の株価はもう上がらないだろうと皆が思ってからさらに上がっていく

 

常識を超えている

 

常識人が常識を超えた人を評価などできない

 

去年、彼はもう一皮むけたと言われている

 

強かったがさらに強くなったと

 

超超優良企業だ

 

テスラみたいなものか

 

その彼が高校中退を選択したという

 

昔の将棋界には学校の勉強などするものではないとされていたそうだ

 

将棋の邪魔になる

 

棋士の中原名人が中学校でトップクラスの成績を取ったときなどは師匠の高柳八段は叱ったそうだ

 

クラスで40人いたら、35番とかで十分だと

 

要は落第さえしなければ良いというわけだ

 

凄い話だ

 

逆にいえばそのくらいでないと将棋指しでは一流になれないという意味だ

 

二足の草鞋では無理

 

藤井総太2冠はそれを知っている

 

だからこそ高校を中退した

 

対局で多忙を極め学業がおろそかになるなんて話ではない

 

もともと一生を将棋に捧げるつもりなのだがその意思を明瞭に示しただけだ

 

常識人には通用しないし理解もできない

 

そんな世界に住む特別な人なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

JR上野駅公園口

なんとか読破した

 

自分には容易に批評しえぬ難解な小説だった

 

あとがきにもあるが、膨大な取材が元になっているのはよく分かる

 

それほど描写が細かい

 

重厚ととるか、過剰ととるか分かれるように思う

 

全米図書賞というアメリカでもトップ3に入るような価値ある賞を受賞した

ということで話題になっている

 

東北からの出稼ぎ労働者の生き様と視点を通して、歴史、制度、災害などを含んで

叙事詩的に描いたのが評価されたのだろうか

 

凄い本だと言うとよく分かってるなと言われそうでもある

 

抽象画を評価するみたいな

 

見方によって変わる

 

様々な講評がある

 

概ね、主人公の物語として読んだ人は辛口採点だ

 

たしかにリアリティに欠ける設定と展開になっていて没入感が乏しい

 

息子を亡くし奥さんを亡くし最後には震災で孫も亡くす必然性があるか

 

とんでもなく辛く悲しい男の人生なのだが残念ながら気持ちが入らないのだ

 

さらっと読めてしまう

 

ああそうかと

 

もしかすると作者の主要テーマたる意図はここにはなかったのかもしれない

 

これもあとがきで書いていたが出稼ぎで苦労する人々と震災で失意にある人々との

橋渡し?オーバーラップ?的な小説を書こうとしたとある

 

あと天皇制への批判?ここは自分にはよく読み取れなかった

 

出稼ぎ主人公の悲惨な過去と心の慟哭に対し、あまりにも写実的なホームレスや公園の場面描写がバランスが取れていないと感じてしまうのかな

 

自分はそう感じたんだと思う

 

そこに難解さを感じてしまったんだと

 

冒頭から始まる出稼ぎ主人公の慟哭ともいえる内面描写はあえて取り入れず

あくまで東北(青森か)での生活の厳しさ、出稼ぎに出ざるを得ない状況、

息子の死を外面描写で淡々と描く(描いている)ので十分伝わるように思う

 

そして、その後、上野でホームレスになる下りがやっぱり少し???となる

 

奥さんの急死から孫に迷惑を掛けるのでとあるが、失踪まがいに家を後にする

というのはどうも解せない

 

ここで躓く読者が多いように思う

 

まあ書こうとしたテーマに沿うためにそういう設定にせざるを得ないのは理解できるが

それを見抜かれてはやはり少々拙いだろう

 

あるいはそうではないと

 

つまりテーマに沿うためではないとするのなら、失踪までの経緯をもっと必然性を持って描かねばならないだろう

 

しかしながら描写力と表現力は見事なものでとても真似できるレベルではない

 

精緻な目に加えて感性が豊かなんだなあ

 

羨ましい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

影裏を観て

WOWOWで観たのだが、番組紹介欄にはサスペンスとあったので期待したのだがちょっと違っていた

 

観終わり、これは原作があるなと確信し、調べてみるとやはり芥川賞受賞作であった

 

きっと大きく評価は二分するだろうなと思ったらやはり当たっていた

 

行間を読んで楽しめるタイプとストーリーに興味を惹かれるタイプではまるっきり印象が異なるのではなかろうか

 

映画の評価は原作より少しばかり低いように見受けられる

 

行間を読むような映画、これを純文学というかどうか分からないが、映像にするのは相当にチャレンジャブルである

 

自分もよく理解できなかった

 

LGBTを扱っているのは分かったし、対照的な人物を描いているのも分かった

 

ラブストーリーといえばそうだし、社会派といえばそうだし、サスペンスといえばいえなくもないという要するにちょっとゴチャッとした印象を持ったのだ

 

でもまあ悲恋物語なんだろうな

 

ただとなると題名が???となるんだな

 

松田龍平演じる日浅という人物が、綾野剛演じる主人公に対し、人を見るときにはその最も裏の影の黒い部分を見なければいけないというセリフがある

 

まあこれが影裏というタイトルを象徴したセリフなんだろうがそうなるとサスペンス寄りになってくる

 

ただ原作が芥川賞ととった純文学となるとまた話がこんがらがる

 

もちろんエンターテイメントでは全くない

 

そして盛岡の美しい風景や祭りなどが情感豊かに映像化されている

 

さらにここに東北大震災が絡んでくるのだ

 

あくまで映画の感想だが(原作は読んでいないので)

 

小心者で生真面目のLGBT主人公が、奔放に振舞う男友達に自分にないものを感じて惹かれていくがその男の裏の顔は主人公が想像もしないものだった

 

これが本線、つまりミステリアスな男友達の正体が少しずつ明らかになる

 

この本線に男友達が行方不明となる原因に東北大震災を持ってきたのが複線、あの大津波で生きているのかどうか分からないという実際にあり誰もが見聞きしたエピソードだ、つまりここにもミステリアスな要素が含められる

 

そしてそれが盛岡を舞台に展開される(原作者は盛岡在住らしい)

 

うーむ

 

ゴチャを解きほぐしてみるか

 

純文学ならどうなる

 

主人公の男友達への愛がもっと深く描かれねばならないだろう

 

ああ好きだったんだくらいではなく

 

どこまでもどこまでも深く知ろうとする

 

裏の裏の裏、生死まで含めて

 

その先には絶望があると知りながら

 

東北大震災のような大きなエピソードは逆に不要になる

 

ある日ふといなくなれば良い(その方がインパクトが強い)

 

そしてラストがあの釣りのシーンではいけないだろう

 

やはり何らかのサインめいたもので死を暗示し主人公が失意のうちに慟哭せねばならない

 

純文学ではなくサスペンスとして描いたらどうなる

 

LGBT設定が不要になる

 

男友達の裏の顔がとんでもないもので、実は自分も騙されていて、知らない間に自分の貯金が全て引き出されていた

 

過去を追っかけると、男友達の周りでは不自然な事故や自殺が相次いでいた

自分にも危険が迫るのを感じる

 

男友達から逃げようとするが逃げられない

 

最後に決定的な証拠を掴むが男友達は消えたように姿を消してしまう

 

どうだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

9人の翻訳家 囚われたベストセラー

WOWOWで観た

 

まずまず楽しめた

 

どんでん返し的なサスペンス映画の一つだろう

 

少し展開が遅いのと難解かなとは思うが秀作ではある

 

どちらかというと映画より小説向きの内容かな

 

つまり映像化にはあまり適さない

 

主人公の心象風景が最も重要だから

 

勉強にはなった

 

このようなストーリーを思いついたとして自分なら小説にするか脚本にして映像化するか

 

やはり小説だろうな

 

映像化は難しいと思える

 

でもその難しい映像化をうまくこなしていたように思った

 

舞台がヨーロッパと言う利点はある

 

つまり街並みや建物、人物など映像そのものが美しいからだ

 

日本で撮ったら暗い映画になるだろう

 

ただ日本語タイトルがいただけない

 

もう少し洒脱なものがなかったか

 

元々のタイトルはThe Translators、翻訳家だ

 

こっちもイマイチだ

 

デダリュスでいいではないか、こっちの方がよほどしっくりくる

 

なぜなら世界的ベストセラーとなりうるデダリュスと言う本を巡って展開するストーリー

であり、デダリュスが物語の出発点であり、全ての鍵となっているからだ

 

これ以外にタイトルはないだろう

 

翻訳家ははっきり言って刺身のツマ扱いされているし、翻訳家にフォーカスを当てるつもりもないようだし

 

出版社の社長が金儲けに目がくらんで、翻訳家を蔑ろにすることを責め立てるようなくだりもあるが、そこまで文学や翻訳家に対する愛情を感じる映画でもない

 

一人の女性翻訳家自分の過去を独白しその結果、自殺する展開も入ってきたりするがあれも余計だ

 

後半になってなるほどと思わせる展開になり観終わってああそうだったのかと思えるのだがハラハラドキドキは感じない

 

蕎麦そのものは非常に美味しいが、つゆがイマイチみたいな感じか

 

世間の評価を見ても大体一致しているように思う

 

自分ならどうするかと考えてみた

 

まず社長の鞄をすり替えるところからスタートさせる

 

つまり犯人は最初から分かっていたとする

 

これは犯人探しの物語ではない

 

犯人がなぜこれほどまでに手の込んだ仕掛けをしたのかが主題の物語だから

 

そこをもっと重厚に描きたい

 

つまり主人公と小説家との関係だ

 

幼少期からの関係性をもっと深く濃く描く

 

もちろん主人公の家庭環境なども

 

9人の翻訳家たちが地下で閉じ込められて仕事をするなんてのはどうでも良いのだ

 

元々リアリティがないし

 

惜しい作品の一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

将棋指し 米長邦雄

続いて米長邦雄

 

何度も中原名人に挑戦して敗れ、最後の最後で名人を獲得した大棋士

 

面白い話が一杯ある超魅力的な将棋指し

 

男ばかり4人兄弟の末っ子で兄3人がみな東大に進学した

 

記者かだれかに、あなたはなぜ東大に行かず将棋指しになったのですかと聞かれ

 

兄はバカだからと答えた

 

これは超有名な話だが、実は真偽のほどは明らかではない

 

たしか何かの本で米長邦雄はおれは言ってないと書かれていたように覚えている

 

でも彼ならいかにも言いそうだから面白い

 

他にもある

 

将棋教室か何かに来ている学生さんの母親が就職の相談にきて

 

将来のためにも安定した良い企業に就職させたいがどこがいいと思うかと聞かれ

 

それなら、一番は新興宗教の教祖、次は詐欺師と答えたとか

 

米長邦雄独特の感性なのだろうがもちろん本音は将来のことなんぞ分かりませんよ

程度の意味だったと言われている

 

あと、ストレスが溜まるとラスベガスに行ってギャンブルし、大浴場の床にスッポンポンで寝転び「お〇〇こー!」と大声で叫ぶのだそうだ

 

まあこれも真偽のほどは定かではないが

 

中原名人と並んで一世を風靡した人だった

 

ところがだ

 

これも河口俊彦氏によると晩年、つまり名人を羽生善治に奪われA級を陥落した後のことになるが

 

少しずつ変節していったようだ

 

将棋指しというのはある意味強く勝っていればこその華であって負けが混んでくるとそれはそれはなんだか嫌な人格になるそうな

 

でもそれも含めて人間らしいしある意味率直で純粋であるともいえる

 

最後に

 

かの有名な?中原名人と浮名を流した林葉直子女流棋士は米長門下であるが、彼女が女流名人をとったときの就任式で師匠の米長邦雄は挨拶に立ったがなんとそこで

 

彼女に破門を言い渡したのだ

 

???という話であるが1984年に将棋マガジンに掲載された米長邦雄林葉直子に宛てた手紙の内容があるのでそこから類推すると

 

彼女の将棋に対する姿勢や私生活の乱れなどが破門となった遠因と思えるのだ

 

女流名人を取ったとはいえ、本来は奨励会に入っていて男と同様の女性初プロ棋士を目指していた林葉直子が、しっかり修行に打ち込まずダラダラしているのを叱っている内容になっていてこのままなら破門すると書いている

 

となると林葉直子の将棋の才能は大したものであるとも言える

 

当時としては美形でもあるし華があったことは間違いない

 

融通無碍で奔放な米長師匠ならよしよしと言いそうなものだがさすがにこと将棋になるとそうはいかないのだろう

 

もう一つ

 

彼女が出版に際してお世話になった人に挨拶に行かなかったことに対して、感謝も出来ない人間はダメだというようなことも書いている

 

いずれにせよ、将棋の修行に身が入らず、人としての大切は振る舞いも出来ないのであれば許せんということか

 

しかし就任式の挨拶で申し渡すというのが米長邦雄らしいといえばらしいか

 

いやあ面白い