ちょいとしつれいします

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将棋指し 芹澤博文

その昔、大橋巨泉氏のクイズダービーだったかと思うが、芹沢名人という愛称で呼ばれた将棋指しが芹澤博文である

 

将棋指しではなく芸能人と勘違いしていた人も多いかと思う

 

天才肌の棋士で、酒、ギャンブルなど何でも来い

 

話術も洒脱で棋士の中では抜群の知名度と人気があった

 

河口俊彦氏の書籍によって、自分が抱いていた芹澤博文のイメージが大きく変わった

 

山口瞳氏との交流も深く、血涙十番勝負という名著には、ある日、芹澤が自分は名人になれないと悟っておでん屋で泣いたという下りがある

 

それを山口氏や米長邦夫棋士が慰めたと

 

自分のイメージは多才ゆえの挫折であったかのように思っていた

 

河口氏によるとどうも違うようだ

 

大名人である大山康晴を始めとした本格派棋士から自分の将棋は認められていないと劣等感のような感情を抱いていたとある

 

たしか、プロの順位戦制度をおかしいと言い、C級2組まで落ちたうえ故意に負け続けたのではなかったか

 

その際には気骨のあるひとだなくらいに思っていたがこちらも何となく違っていたようだ

 

それでも異彩を放ち魅力的な将棋指しであったことは間違いない

 

51歳という若さでこの世を去った

 

友人である河口氏には、お前の2倍生きたから十分だと言ったそうだ

 

こういうところ芹澤博文らしい