不毛地帯 映画版
もちろん山﨑豊子の原作が素晴らしいことは言うまでもない
しかし映像化された不毛地帯もまた素晴らしい
重厚にかつ精緻に作られている
3時間もの映画ながらあっという間である
監督も脚本も素晴らしいのだろう
また主人公を演じる仲代達也のこれ以上ないという演技、彼を取り巻く俳優陣の凄さなど全てが第一級品である
このような重厚な日本映画が作られることはもうないのだろうか
サスペンスで言えば砂の器のような
なんでもそうだが商業主義が強過ぎる
小説教室の講師でさえ売れるか売れないかの視点から語る
そんなものは金太郎飴でしかないだろう
読んだ後、見終わった後にドーンと魂に響くような作品を読みたいし見たい
不毛地帯は、軍人の友情を軸に、安保問題と絡めて政治とビジネスの世界の人間の欲を見事にそして無常感たっぷりに描き出す
それにしても山﨑豊子の取材力の凄まじさ
あれだけ人間の内面を抉り出すことが出来るのはよほど取材相手の懐に入らないと見えてこないだろう
そして構想力
いやあ恐れ入った
すご過ぎる