ちょいとしつれいします

映画や本や趣味などを失礼ながら好き勝手に綴ります

ナイブズアウト

2019年末の映画だ

 

本格的な謎解き、推理ものである

 

結構評価も高い

 

のだが

 

何だろう

 

何か物足りない

 

探偵がダニエルクレイグだからだろうか

 

強く肉体派俳優的イメージのD.クレイグ

 

それが明智小五郎みたいだ

 

そのアンマッチさが最後の最後まで取り除かれない感じ

 

ずっと喉に骨が刺さっている感じ

 

映画のトーンは遺産の絡む殺人事件の様相だが、どちらかといえば明るく茶目っ気たっぷりに描かれる

 

一代で巨万の富を築いた爺さんが、自分におんぶに抱っこばかりの家族の面々を見限って、献身的な他人であるナースに全ての財産を遺す

 

テーマは「本物の善意=無償の愛、は勝つ」だ

 

投薬ミスしたと「勘違い」したナースが、ミスしておらず、死ぬと「勘違い」した爺さんが、

自殺し、、、、

 

ナースは自分の善意に従って行動し、周りがバタバタして勝手に転んでいく

 

ただ最後の、病院からの電話で犯人の自白を導いた場面は何だったのだろう

 

あれは事前に探偵と打ち合わせていた?

 

警察が録音も取ってたから多分そうなのだろう

 

刑事コロンボ古畑任三郎ばりだな

 

あそこはちょっと違和感があったな

 

ここまで書いてきて

 

洒脱でおしゃれで風刺が効いている良い映画の一つだが、、、、

 

やっぱり何か一つ物足りない

 

大切な調味料を入れ忘れたかのように

 

あるいは全てが80点なのだがトータルすると80点を下回るような不思議

 

何だろう

 

キャラかもしれない

 

登場人物全てのキャラが立っているようで立っていないのではないか

 

ストーリーは面白い

 

謎解きも秀逸

 

やっぱりキャラじゃなかろうか

 

魅力的なキャラが一人もいないのだ

 

主人公の一人であるナースは「嘘をつくとゲロを」吐く

 

この設定って面白いか

 

まずここでこんな奴いないだろうってならないかな

 

この設定必要だったか

 

まあ映画全体のトーンとしてファニーな感じにしたかったのかもしれないが

 

あまり役立っていないように思える

 

とんでもなく善良なナースにまずもって魅力がない

 

探偵演じるDクレイグにも同じことが言える

 

とぼけた味を出そうとしているが伝わらない

 

そうだ

 

歌で言えば抑揚が効いてないのだ

 

ずっと最後まで同じ調子

 

だから盛り上がりがない歌のようで聞いていてダレる

 

と言うことで結論

 

流石に超善良なナースも最後に自分が殺人犯にされそうなところで、必死になって犯人探しをし始めると言う盛り上がりを作ればいいのだ

 

もちろんクライマックスはナイブズアウトから取り出したナイフがフェイクだったってオチでいいのだが

 

あと探偵はDクレイグじゃない方が絶対いい

 

あえて言えば名探偵ポワロみたいな雰囲気の無名な役者で十分

 

それと犯人役の男は、もっとワルっぽくないとね

 

登場人物が多すぎるのも問題だね

 

結局キャラ設定に尽きる

 

と言うことで55点