クーリエ 最高機密の運び屋
事実に基づく映画で非常に面白かった
ただこの副題はいらないと思うけど
クーリエとはフランス語で配達人のような意味らしい
米ソが核戦争に突入するかどうかの瀬戸際まで行った1960年代の話である
時代は繰り返されるというがその通り
フルシチョフの危険性を認識してこのままでは核戦争が起きかねないと憂慮したソ連の高官の入手する情報をいかにアメリカに安全に運び入れるかが描かれる
その役割にスパイでもなんでもない、普通のセールスマンが選ばれる
このセールスマンがクーリエと呼ばれる運び屋になるのだが、ソ連の高官と接触しているうちに、二人に友情が芽生える
ところが、最後の最後で、二人ともがソ連を出国できず囚われの身になる
セールスマンはどれほど過酷な状況に置かれても、最後まで機密情報とは知らなかったと口を割らず、ソ連の高官も家族を守るために自白はするが、セールスマンについては無実で通す
一年以上後に、アメリカはソ連のスパイと引き換えにセールスマンを取り戻す
高官は処刑される
この二人がもたらした機密情報によって、フルシチョフの核配備に関する詳細な情報が得られたことにより、アメリカはギリギリの交渉を行い、一歩も引かず、最後はソ連が核配備を断念し、核戦争は回避される
事実だけに緊迫した内容になっている
登場人物はごく少なく、メインは3人に過ぎない
普通の惚けたようなセールスマンだった彼の演技が、物語が進むにつれて、迫真の演技へと変貌していくのが見事だ
じっくり視聴するに値する