ちょいとしつれいします

映画や本や趣味などを失礼ながら好き勝手に綴ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

女系家族

山崎豊子原作をドラマ化していた なかなか上手に脚色していて面白かったなあ 少しコメディタッチで 何より渡辺えりが光ってたな 寺島しのぶはさすがだけど、その上を行っていたように感じた あんな個性で演技ができる人ってそうそういないと思う 正直、あの…

美しい星

三島由紀夫のSFを映画化 天才というか、いっちゃっている人はこういう話を書くのかと正直思った 現代人への風刺というかブラックジョークだろうけど シニカルな笑いの中に、刺さると相当痛い鋭い棘が何本も隠されている 面白いのは内容そのものではなくて、…

沈黙のアリバイ

横山秀夫氏の作品をドラマ化 小説でも読んだことがあったけどドラマはまた違った面白みがあって楽しめた ちょっと調べてみると、横山秀夫氏は『半落ち』で、選考委員や出版社と色々とすったもんだし、結果、直木賞とは絶縁宣言したらしい 詳細までは知らない…

不審者

伊岡瞬氏の著作 面白かった・・・が 結末ありきで読者を引っ張っていく感じが強くて、読後感がスッキリしなかったかな 実父のDVというか性的虐待というか、心の傷が原因でその後の人格形成に支障をきたし、事件を起こすというストーリーはありがちだけど、そ…

ショートスカートガール

なんと60歳以上限定での新人発掘プロジェクトで賞を取った作品らしい ジャンルはミステリーで公募している 本作品はどちらかというと、サスペンス+純分学のような描き方がされている やむを得ずミニスカートになったスーツを履かざるを得なくなった主人公が…

ドントウオーリー

風刺漫画家であるJ.キャラハンをモデルにした実話 アルコール依存症から立ち直る経過が回想によって紡ぎ出されていく 心に深い傷を負った人々が描かれる 人を許し、自分を許すことでアルコールからの依存を断ち切る 確かにアルコールを求めてしまう根源を見…

バルーン

ドイツが東西に分裂していた時の実話 東ドイツから西へ気球で脱出する家族の物語 面白い もしあれを小説にしたら、きっと嘘だとか、リアリティがないとか言われそうだな 二度とも落下するが二度目には国境を越えるんだから どれほど逃げ出したかったか やは…

眉山

古い映画だが、面白かった なにより宮本信子の演技が光る それに御涙頂戴になっていないのが良い ストーリーはシンプル、多少の恋も交えつつ、主人公の生い立ちを浮かび上がらせていく ずっと抱えていた、自分勝手な母親への反発と疑問 そして母親自身がずっ…

愛がなんだ

角田光代さん原作を映画化 恋愛ものとタイトルからして、こりゃあかん、ついていけんと思ったが、結構面白かった まず感想は、若い人が書いたものではないと思って、角田光代さんを調べたら、やはりそこそこの人生経験豊富(であろう)方だった 書評や映画の…

青くて痛くて脆い

住野よるさんの小説を映画化 あまり期待しないで観たが面白かった あのような青臭い理想論や現実とのギャップに自分の姿を投影するのは若い頃にはありがちだなあと ただモアイという同好会?がちょっと現実離れしてしまった印象があって、あのリーダー格の男…

田原総一郎さんと下重明子さんの対談「就活も断捨離もくだらない」

ネットニュースで、お二人の対談記事を読んだ 記事のタイトルは「就活も断捨離もくだらない」と田原さんゆえか、少々過激な感じ 要は、暇な老人が、週刊誌などに煽られて、やらなくても良いことをやらされているという趣旨で、終わるとか大事なものを捨てる…

ノマドランド

アメリカの大地を流離う人々を描いたロードムービー フランシス・マクドーマンドがアカデミー賞主演女優賞に輝いた 他にも作品賞や監督賞も取っている アメリカ国民にはどこかに放浪への憧憬があるのかもしれない 楽しいことはいつも外にある 旅立つものと残…

ハチドリ

韓国映画 十四歳の少女の日常と揺れ動く心を描いている 良作である 勝手な思い込みかもしれないが、韓国映画にしてはアップダウンの少ない描き方と思えた 心象を表すのが難しい映像表現をまずまずうまくまとめている 自分の十四歳の頃ってどうだったんだろう…

家族を想うとき

2019年ケンローチ監督の作品 家族のために働いても働いても報われず、徐々に家族が崩壊していく哀しく切ない物語 社会の底辺で身を粉にして働くエッセンシャルワーカーの現実を炙り出すとともに、家族の愛をからめて描く 素晴らしい映画である 四人の家…

海老原清治プロ

毎週、BSのゴルフ侍を楽しみに観ている 先週は大好きな海老原清治プロだった 千葉出身の72歳、血液型はA型、ツアー3勝、大きく見えるが身長は174センチだそうだ プロらしいプロの代表的な一人だと思う とにかく思い切りと歯切れがいい しかも結構振るし、飛…

ダウト偽りの代償

2009年の映画で以前観たことがあるが、M.ダグラスが好きなのでもう一度観た よく出来た映画で、最後の最後にどんでん返しがあるタイプ 進行がスピーディで飽きさせない あくまでストーリー重視なので、細々としたところはどんどん端折る それが意外に爽…

ノンフィクション(フジテレビ)

日曜日は、必ず録画する番組が3つあって、ノンフィクションはその一つである 他は、BSのゴルフ番組とNHKの将棋対局なんだけど、ゴルフ番組は、アマとプロが戦うものでそれはそれで面白いけれど、僕の興味はギアにあって、どんなクラブを使っているのかを興…

凪待ち

喪失と再生がテーマとのこと ギャンブル依存症(酒はそこまででもない)の男が、流れのまま無為に生きていき、立ち直るまでを描いている 香取慎吾の演技は悪くないと思う ただ演じるキャラ設定が分かりづらく感情移入しにくい わかるのはただ何となく生きて…

天才作家の妻 四十年目の真実

すごく良くできた映画で面白く鑑賞できた グレンクローズの演技が絶賛されていてもちろんそう思うけど、もうちょい優しいイメージの女優さんでも良かったかな、あえて言えばだけど ストーリーそのものはシンプル 夫婦が長い間に溜め込んだお互いへの澱のよう…

ザリガニの鳴くところ(ネタバレあり)

本屋大賞翻訳小説部門第一位というよりも、著者が70歳にして初小説!に惹かれたんだな どこかモデルの場所があるそうだが、ある湿地で暮らす貧しい少女の物語 色んな点で面白い 訳者あとがきにもあるが、サスペンスでもあり、推理小説でもあり、少女の成長…

ドクターデスの遺産

原作を読んではいない 安楽死で数百人を死に追いやった医師をモデルにしているようだ ただ安楽死の問題を深く掘り下げているようには見えない あくまで推理あるいはミステリーの題材としているようだ 綾野剛と北川景子という豪華な共演で期待していたのだが…

世界の終わり、旅のはじまり

何とか見終えたというのが正直な感想 黒沢清監督作品とは相性があまり良くないような・・・ 抒情詩的に描こうとしているとは思うが何だか中途半端な感じが残るんだな 前田敦子の演技がいいのかどうなのかも正直わからない 脚本も黒沢清監督 厳しいようだけど…

ブリット・マリーの幸せなひとり立ち

スウェーデン映画だそう 63歳のブリットマリーが、旦那の浮気を契機に家を出る物語 良作ではあるけど・・・・って感じ 「ブリットマリーはここにいた」という原作があるようで、どうもこちらの方が面白そうでもある やっぱりこの手の内容は、主人公の心も…

喜劇 愛妻物語

理屈抜きで面白かったなあ いわゆる、夫婦のあるあるだけど、主演の濱田岳と水川あさみが素晴らしい 原作、脚本、監督が同じ人なので、自分の思い通りのイメージで作れたのかも 子供ができるとセックスレスになるのは、夫婦のあるあるで、そこにさらに収入の…

ソフトボール金メダル

感動した 卓球ミックスダブルスと同じくらい感動した 男子柔道81キロ級の金メダルも感動した 一瞬の煌めきではあるが、それが人の心を強く打つ アメリカ女子選手の方にプレッシャーが強いようにも見えた やはり前回負けているために今回こそと言う思いがあ…

華麗なる一族 WOWOWドラマ

今から40年前の1970年頃に発表された山崎豊子の小説が原作 素晴らしい出来になっている やはり原作がしっかりしているドラマは見応えがある もちろん中井貴一の演技が超秀逸であったからこそではあるが あれほどのハマり役はないかもしれないと思わせ…

ザ・ゴールドフィンチ

幼少期に美術館のテロで母を亡くした少年が一枚の絵を巡る様々な出会いと別れを通じて成長する物語 服の上から背中を掻く感じと言った方が良いかな 決して悪い作品ではないがもう一つ物足りない 幕内弁当になってしまったからかもしれない まず持ってメイン…

15年後のラブソング

実話を元にした映画かと途中まで誤解していた 原作は小説らしい 不思議な映画だった 今時こんな類のものが映画になるのかと思った 悪い意味ではない 適齢期を過ぎた熟年男女のラブストーリーである イーサン・ホーク演じる男はシンガーソングライターで、何…

ステップ

山田孝之主演のシングルファーザーがテーマの映画だ 淡々と描かれて行く中に哀切を感じさせた 途中までは 良作ではある 片親で子供を育てていくことは大変な苦労があることは容易に想像できる それは物理的な大変さではない 子供の心情を思いやる辛さだ もち…

酔うと化け物になる父がつらい

実話じゃないと書けない話だろう 書評コメントを読むと、概ね作者への共感が多い 内容は悲惨でありながら映画のトーンは暗くはなくあっさりと描かれている しかし実際に同じような体験を持つ人からすると記憶がフラッシュバックしてしまうのではなかろうか …