ドクターデスの遺産
原作を読んではいない
安楽死で数百人を死に追いやった医師をモデルにしているようだ
ただ安楽死の問題を深く掘り下げているようには見えない
あくまで推理あるいはミステリーの題材としているようだ
綾野剛演じる刑事のキャラが判然としない
最初のシーンでつまづいた
重い腎臓病を患う娘の病院で、同じような男の子とオセロをやるシーン
男の子が有利なところをわざとぶつかって崩し、男の子が何回も負けそうになるとこうやって、、、
似顔絵のところとナースが真犯人というアイデアは面白い
しかし刑事の娘を狙うという展開はあまりに必然性が弱くいただけない
あれでは単なるサイコパスの殺人鬼であり、安楽死を何十人も行ってきたというバックグラウンドが成立しにくい
つまり、安楽死に見せかけて殺人を繰り返してきた犯人なら理解できるが、遺族の依頼で末期にある人々を死なせるという行為とは折り合わないのである
この辺りがもったいないなあと思った
例えば、二人の犯人がいて、一方は、ある意味安らかな死を願う人の望みを叶えてあげたいという考えであり、もう一方は、それを模倣した快楽殺人鬼というのはどうだろう
そして柄本明演じるホームレスは元医者で、前者を、木村佳乃演じるナースは、ともに安楽死を手伝う中で、徐々に快楽殺人に目覚めていき・・・
そうなると刑事の娘が重度の腎臓病とかそれを最後は狙うという展開は不要になる
木村佳乃にたどり着くまでにもうふた捻りくらいは入りそうだが
そうなると本格的なミステリーとしてさらに面白くなったように思うが