マネーショート華麗なる大逆転
タイトルからしてB級映画のようで全く期待していなかったが実は本格的で面白かった
2007年のアメリカにおけるサブプライムローンに端を発したリーマンショックの際に、それを予見し大儲けしたいくつかの個人や会社の物語だ
ウオーレンバフェットも暴落前に株を売り被害を免れた投資家と言われている
ただこの映画はタイトルにあるような単純な内容ではない
その意味でこのタイトルは内容に全くマッチしていない
あまりに杜撰すぎるタイトルの付け方でさえある
国や銀行、国民全てが住宅バブルに浮かれ、サブプライムローンというとんでもない商品を作り出し、その問題に目を逸らし、最後は隠そうとまでしたという負の歴史
その問題にいち早く気づき、空売りで儲けようとする者
もちろん華麗なる大逆転ではあるがその背後には何百万人が職や家や年金を失い路頭に迷った現実
それを知っていながら金儲けすることが是なのかという重い問いかけがある
最初に見抜いたトレーダーの医者はその仕事から身を引く
振り返って今の日本はどうだ
コロナで不景気な業種や人が多い中で、コロナ対策による金融緩和によって異常なほどの金が市場に流れ込み、株高や不動産高を生み出している
これは正常な姿か、それとも異常なのか
大きな2極分化を生み出しているように思える
東京では建売住宅や中古マンションが飛ぶように売れているらしい
コロナ禍で在宅時間が増え、都心の狭い家から古くとも広い家に住みたいという需要が高まっているのかもしれない
都心に住む意味が薄れている
でもコロナ禍が収束したらどうなるだろう
また逆の力が働くのか
この相対的な世は波だ
揺り戻しがあるかもしれない
そう考えさせられる映画だった