「ハルキストになれない男たち」村上春樹記念館
僕はある段階まで彼のファンであった
今は「ハルキストになれない男たち」の一人である
もちろんこれは「女のいない男たち」をもじっているのだが
彼の創作活動の幅広さにまず驚いた
まさか翻訳までやっているとは知らなかった
以前に彼のことをこう書いた
彼の作品の主題はセックスであると
セックスに対する憧憬や劣等感にあると
一緒に行った友人も「ハルキストになれない男たち」であるが、彼が言うには、セックスを描くのは本が売れるからだと言った
とはいえ、これだけ世界中で売れて、記念館まで造られるには、やはりそこに魅力があるからであってそれを否定するわけには行かない
彼の作品に芸術性を感じることはないが、プロ作家としての力量は凄い
ただ名を上げ財を成した村上春樹は今何を想うだろうかと考えなくもない
友人が「一人称単数」に己を省みる話があると言った
借り物で作品を作り上げたことへの反省だと言うが僕には分からなかった
もしかするとこれから村上春樹が新作を発表することがあるとするなら、それが本物の彼の芸術性を知らしめる一冊になる可能性もあるのではないか
そんなことを思った