ちょいとしつれいします

映画や本や趣味などを失礼ながら好き勝手に綴ります

松山英樹マスターズ優勝

3日目を終わって、2位と4打差のトップ

 

これ以上ない展開で大チャンスと思った

 

それに何しろ松山だから

 

というのも、他の日本人選手には申し訳ないが、この位置で最終日を戦って勝てる可能性のあるのは松山しかいないとあえて断言する

 

往年の名選手でいえば、青木功くらいか

 

あとはほぼ崩れて終わるのが目に見えている

 

松山でさえ結果的に言えば崩れた

 

四日間で初のオーバーパーだから

 

ライバルはシャウフェレとザラトリスだと思った

 

シャウフェレの安定度は凄かったし、ザラトリスは24歳と若く初出場で怖いものなしの思い切ったプレーを見せていた

 

4打差あったが、バーディボギーで2打差なんかはすぐ縮まる

 

松山自身がー14、15まで伸ばせればと言っていたが、結果的にはライバルが伸びきれず一つ落としても勝つことができた

 

でもそれを勝ち切れる選手とそうでない選手との差は月とスッポンくらい大きいのだ

 

インタビューで一番印象的なショットを聞かれて、18番のティショットがフェアウエイに行ったときと答えた

 

2打差で迎えた18番

 

ボギーでも優勝だが、あのショットがやはり優勝に結びついた一打だったのだろう

 

あれを打てる松山の精神力がやはり凄い

 

もう一つ言えば18番の2打目をガードバンカーに入れ、グリーンに向かって歩いくる時に2打差あって良かったと思ったと言った

 

それも凄い

 

それにしても解説の中嶋常幸が言っていたように、まさか日本人がグリーンジャケットを本当に着る時が来るとは多分松山以外誰も思っていなかっただろう

 

中島常幸は実は凄い選手だったし当時のレベルで言えば勝てる可能性を最も持っていた選手だろうと思う

ただドローが苦手だった

 

オーガスタナショナルでフェードが有利なホールは非常に少ない

 

上位選手はみなティショットはドローで豪快に距離を稼いでくる

松山も決してドローが得意ではないが日頃のトレーニングの成果だろう、きっちり300ヤードをコントロールできるだけの基礎体力を身に着けている

 

着る可能性の最も高いのは松山でそれ以外には誰もいないのだが、実は松山に続くような有望な選手も残念ながらいないのだ

 

女子は渋野日向子が全英を勝ったが、やはり多少はフロック的要素が強い

 

松山は勝つべくして勝ったと言える

 

そこが凄い

 

例年と比較してどの程度のコースセッティングになっていたのか知るよしもないが、少なくとも雨が降り風が少ないコースでボールが止まりやすく、グリーンも遅かったのでもっと良いスコアが出てもおかしくないと思ったが、それだけセッティングが難しかったのだろう

 

しかし何度も言うがこれほどの歴史的快挙が今まであっただろうか

 

例えてみればサッカーワールドカップで日本が優勝するようなものか

 

これで松山英樹という選手はPGAの賞金王にさえ十分なれるだろうし、それはマスターズ優勝に比べれば遥かに優しいチャレンジではなかろうか

 

次は全米プロや全米オープンで勝って欲しい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ダラスバイヤーズクラブ

HIV治療薬を巡る実話に基づいている

 

AZTという元々抗癌剤を抗ウイルス薬として使い始めた時期の話で、もちろんHIVに効果はあるが、副作用も強く継続困難であるばかりか免疫機能を低下させてしまう問題があった

 

映画では製薬会社と医師とFDAが結託して、旨い汁を吸うとまでは言わないが、HIV患者をモルモット的に扱っているように描かれ、またHIVが当初は同性愛と強く結び付けられていてその偏見をも同様に描いている

 

アカデミー賞の主演男優賞だかを取っていて確かに素晴らしい迫真の演技である

 

ハマるというのはこういうことなのだと思わせる

 

厳しく辛い内容だが妙に感傷的になることもなくいい意味で突き放したようなスタンスで作られている

 

まあ個人的にはもっとドラマチックな脚色が欲しいところではあるが

 

あえて面白いとは言わないが見て損はない良作の一つではないだろうか

 

この辺り、悔しいがやはりアメリカというかハリウッドというか大したもんだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初恋 お父さん、チビがいなくなりました

ああ、面白かった

 

この映画を面白く見られる年代があるだろうとは思うが

 

若い人は退屈と思うかもしれないな

 

結婚していて人生の後半を迎えている人には面白いだろうな

 

原作は西炯子さんという漫画家らしい

 

いくつかなと思って調べてみると54歳だ

 

ご両親を見ていたのかなとも思う

 

映画を見終わって女性視点だろうと思ったがその通りだった

 

原作、脚本ともに女性

 

男ではあのようには描けないだろうな

 

特に初恋を語るシーン

 

あれは男には描けない

 

照れ臭いからだ

 

女性はあのような展開が好みなのだろうと思った

 

旦那が独白するが男が描くとあのようにはならず態度で示すようになるだろう

 

女はちゃんと言って欲しい、男は俺の態度で分かって欲しい

 

ここに永遠とも言える男女間のギャップがある

 

ただこれは日本人特有なのか

 

欧米では男も愛しているとか感情表現を普通に言葉でするとは聞いているからやはりそうかもしれない

 

日本では慮るとか、惻隠の情と言う言葉がある

 

いわゆる察すると言うことだ

 

あくまで男の意見だがこのような感性は日本人の美徳ではないかと思うのだが

 

やはり古臭いと言われるのかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スタンドアップ

スキャンダルと合わせて見た

 

初めてのセクハラ訴訟らしい

 

何と1988年の実話が元になっている

 

ということはセクハラ云々とはまだ30年ちょっとしか経ってないのだ

 

日本はもっと遅かっただろう

 

ハラスメントという言葉が使われ出した記憶はそんなに古くない

 

2000年前後か?

 

アメリカで起こったことは10年後に日本で起こるっていうのは結構正しいかもしれない

 

何となくだが相当脚色されているように感じた

 

でも面白かった

 

シャーリーズセロンが美人すぎてちと現実味がないのがたまに傷くらいか

 

フランシスマクドーマンという脇役名優が何より素晴らしい

 

彼女のおかげで映画が締まったものになっている

 

極端に言えば主役はシャーリーズセロンである必要は全くないが、脇役のフランシスは絶対に必要となっている

 

裁判で明確になる若い頃の教師にレイプされる話も本当なのだろうか

 

多分本当なのだろう

 

ただあれが全て実話だと受け取れない

 

あまりにも出来過ぎているからだ

 

ラストで女性や工員が立ち上がるっていう演出あたりはたぶんに脚色だろうけど

 

あれで日本語タイトルはスタンドアアップにしたんだろう

 

原題は北の国(North Country)みたいなタイトルだから

 

珍しく日本語タイトルの方がいい映画だ

 

あの弁護士との関係がその後どうなったのか興味が湧いたが実話ではあんな関係では

なかったかもしれないな

 

ちと思わせぶりだったが上手に作ってある

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキャンダル

公開は2019年

 

2016年に起こったFOXでのセクハラ訴訟が原作になっている

 

肝心の女性キャスターたちの立ち位置と関係性が今ひとつわかりにくかった

 

これは多分アメリカ本国では有名なキャスターたちなのでそこまで描かなくても良いということだろう

 

しかしちょっと不親切というか下手くそだな

 

もちろんメインストリームはセクハラとそれが暴露されるプロセスなのだが、サブストリームにあるのは、女性キャスターたちの闘いだろう

 

であれば、そこはもっと深掘りしてもらわないと

 

新人キャスターが最後、会社を辞めて出ていくシーンをもっと際立たせるためにも

ほぼ実話通り再現したようだがもっと脚色しても良かったのではとも思える

 

それにしても結局訴訟はいわゆる示談で終わったようだが、訴えた女性キャスターは

20億もらい、訴えられたCEOは退職金60億って

 

映画よりそっちに感動した

 

違う意味で

 

 

 

 

 

 

 

 

NHK将棋決勝戦と女子ゴルフ最終日

斉藤8段と稲葉8段の決勝戦だった

 

力戦型の闘いで面白かった

 

斉藤8段の仕掛けが積極的で急戦模様だったが、稲葉8段の落ち着いた対応が印象的だった

 

どちらの棋士が好きか嫌いかというと正直ほんのちょっぴりだけ斉藤8段の方が好きだ

 

理由は単純でまず名前

 

昔の上司で本当にお世話になった方が斉藤という名前だった

 

また入社してからすぐ上の先輩も斉藤といった

 

二人とも大好きな人だ

 

ただ自分のようなド素人の目にも斉藤8段の積極的な攻めがなんだか急いでいるような印象を受けた

 

勝手な考えだが、詰め将棋が得意で終盤に自信のある斉藤8段は力将棋にして終盤に持ち込めれば自分が有利と思ったのかもしれない(多分違うだろうが)

 

一方の稲葉8段は、非常に落ち着き払っていて、急峻な攻めを上手く捌いている印象だった

 

なのでその段階でこれは稲葉8段が勝つなと直感めいたものが走った

 

結果はその通りになったのだが

 

さて女子ゴルフ

 

今日はひどい風雨だったのでずっと家にいたからテレビを見ていたのだ

 

首位から3打差くらいの10人くらいが混戦模様で面白い展開だった

 

残り4,5ホールくらいからの中継

 

雨も多少あるがとにかく風が強そうだ

 

たかだか140ヤードのショートホール

 

ピッチングや9Iで打つのだがなかなか乗らない

 

強いフォローの風で奥にこぼれボギーが多い

 

勝ったのは小祝プロ

 

途中実力者の鈴木愛プロがもしやと思わせる場面もあったが終わってみれば小祝プロの強さが際立った試合だった

 

他の女子プロのプレーとの違いは、紛れもなく安定性だった

 

小祝プロは強い風やライバルの動向を全く気にしていないようだった

 

目の前のプレーをただ淡々とこなしていく

 

圧巻は15Hだ

 

277ヤードPAR4

 

たぶん実測はそこまでないのだろう

 

女子プロでもグリーン近くまでドライバーなら届く

 

ただホールが狭く両側にトラブルがある

 

みなFWやユーティリティを持つ

 

小祝プロは何のためらいもなくドライバーを持ち打った

 

右の池ギリギリに残り、アプローチを寄せてバーディを取った

 

ここが勝負の分かれ目だったのではないだろうか

 

もちろん池に入れていればよくてもパー、悪ければボギーだ

 

そして賭けが失敗したことを引きずってその後のプレーにも影響しただろう

 

17,18と難しいアプローチやパットをしっかり入れて勝った

 

15Hがあったからこそだと思う

 

何となく彼女は賭けをしてまで優勝をもぎ取ろうとするタイプではないように思う

 

何しろ淡々とプレーするタイプだから

 

ではなぜあのときドライバーを持ったのか

 

勝手な自分の解釈だが、冷静に大丈夫だと思っただけではないか

 

もちろんうまくいけばバーディのチャンスは広がる

 

しかし彼女のショートゲームからすれば刻んでも十分バーディの可能性はあったはずだ

 

逆に言えば変に計算をして優勝スコアとかなんとかみたいな頭がないからこそ決断できたドライバーだったと思える

 

純粋な思考だ

 

今年の賞金女王になるだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自転しながら公転する

読み終わった

 

この手の小説を読んだのは初めてだったので正直苦労した

 

良いと思えたところから

 

まず何よりタイトル

 

これは秀逸というか素晴らしい

 

キャッチーでありながら内容をいい得て妙

 

座布団3枚

 

よく思いついたもんだ

 

次に安定した筆致というかブレのない表現力というか

 

慌てず急がず淡々と、抑揚は控えめに

 

この辺りは作者の人生経験や年齢によるものか

 

さすがである

 

さて視点だな

 

どうしても女性目線だから止むを得ないが男目線で読むと厳しいものがある

 

もちろん作者は男目線で読んでもらいたいなどとはハナから思っていないと思うが

 

読んでしまったものはしょうがない

 

男性表現が弱い

 

貫一は中卒のヤンキーで相当悪さをしたが硬派として真面目にやっている的な感じなのだろうが、そのきっかけになったのが災害ボランティアなのであればもう少しそこを深掘りすべきかなと

 

貫一の友人が彼の過去を暴露するところがあるが、見張り役みたいな悪さをするのは男からすれば小物中の小物で、こんな感じにはなりようがないと思ってしまう

 

この友人が居酒屋でなぜ貫一のことをここまで悪く、主人公に暴露するのかも必然性が乏しい

昔イジメられていたとかあるとしても、主人公に暴露すれば報復される可能性もあるのにだ

 

要はワルといえどチンピラでろくな大人になろうはずがないのだ

 

それが真面目な硬派になっている

 

それはなぜか

 

男目線からすると非常に重要なポイントになる

 

実はそれは貫一が災害ボランティアをやった経験が元になっているとするならそこはどこかの時点で彼が主人公に独白せねばならないだろう

 

彼の人間的な部分や人生観に大きく影響し、人を大切にする人格形成へと繋がったこと、お金が人生において最優先事項ではないと気づいたこと、とは言いながら、自分が中卒で生活基盤の弱い仕事しかつけないことが、世間的には受容されにくいと、いい大人になって初めて気づいたこと、結婚や家庭への憧れはあるが自分には身分不相応だと感じていることなどなど。

 

これは男目線であり、内容的には必然ではないのかもしれないが、ここで最も重要なことは、ラストに出てくる主人公のボランティア経験へとつながる必然性が弱いことが挙げられる

 

唐突なのだ

 

主人公がどこか貫一に惹かれ忘れられない思いがあるように描かれている(自分には伝わらないのだが)が、世の女性にはこの気持ちがすんなり伝わるのだろうか

 

その前に無免許運転で捕まった際の主人公の反応にも???だが

 

主人公は34歳か

 

作者は主人公の母親世代なので、想像の中で書いたのかもしれないがちょっとチグハグな印象を受ける

 

古い価値観と新しい行動みたいな

 

なぜ急に災害ボランティアに行こうと思い立つ?

 

貫一の思いを知りたい?共有したい?

 

この辺りもやはりついていけないのだ

 

そして最後に

 

プロローグとエピローグは書き下ろしで本来の内容にはなかったとあった

 

自分は不要だと思う

 

どんでん返し要素を入れ込み、貫一との将来が描かれるわけだが、、、、

 

自転しながら公転するという素晴らしいタイトルとテーマをぼかす結果になっている

 

それは内容もそうなのだが、ほとんど介護(母親)の大変さは伝わらないし、仕事はアパレルの中身がこれでもかと詳細に描かれるが、セクハラで辛い思いをするのだけが妙に際立つし、結局は貫一との恋愛成就のお話に終始するストーリーになってしまっている

 

まあ主人公がいみじくも語る

 

自分勝手な女と

 

それは確かでそっちの方が面白い

 

ということでタイトルを変えたらどうだろう

 

自転しすぎて公転を忘れる

 

チャンチャン