ちょいとしつれいします

映画や本や趣味などを失礼ながら好き勝手に綴ります

眼の壁

ドラマWの眼の壁を見た

 

松本清張原作ということで少し興味があったから

 

その昔、松本清張の作品はよく読んだ記憶があるが、この眼の壁は読んでない

 

残念ながら、第一話から違和感の連続で、ドラマに入り込めず、そのままずるずると最終話まで行ってしまった

 

原作に忠実かどうかは分からない

 

なのであくまでドラマWとしての感想ではあるが、二億円の手形詐欺に合った経理部長が拉致され、その後、自殺に見せかけて殺されてしまうのだが、まず持ってその必然性がない

 

会社の都合で警察沙汰にしないとあるが、一介の社員が、大型詐欺事件の黒幕に迫れるわけもないし、それを会社が許すこともあり得ないかなと思う

 

警察に言わないことは泣き寝入りするということであり、もちろん騙された経理部長は責任を取らされる立場にあるため、依願退職をするとか(原作では自殺するみたいだが)がせいぜいかなとも思える

 

そして、その部下だった主人公がまたも単独で、調査を開始し、なぜか事件の真相に迫っていくのだが、そのプロセスの描き方が稚拙で、あまりにも現実離れしている

 

5話なので丸々5時間にわたるドラマだが、脚本に問題があるのだろう、中身がスカスカな印象になってしまっていて、ドキドキハラハラ感のかけらもない

 

ストーリー自体は、松本清張らしいもので、事件の裏に兄妹の人間ドラマが隠されているという設定である

 

つまりは、このストーリーの本質は、この兄妹の物語にあるのであって、事件は刺身のツマになっているのであるが(多分原作はそのような描かれ方がされていると推察する)このドラマではそれが逆転してしまっていることに問題がある

 

単純に事件の謎解きをメインにしてしまったが故に、眼の壁という主題もボケてしまい、ラストの意味不明の終わり方もとってつけたようになっている

 

目に見える現実が真実を表すものではないという意味なのだが、どれほどの視聴者にそれが伝わったか疑問である

 

こんなレベルのドラマを作っているようではやはり厳しいと言わざるを得ない

 

WOWOWの作るドラマの質が低下していることは薄々気づいていたが、ここまでとは

 

松本清張氏も天国から見ていただろうが残念に思ってはいないだろうか

 

こんな低レベルのドラマを作っているようではいけない、お金を払って見ている視聴者のためにもWOWOWにはさらなる努力を期待したい